研究実績の概要 |
平成26年度は、チューブ留置による中耳病原菌の増殖能変化の評価として、メタゲノム解析による機能プロファイリングを行うための準備として検体を採取しデータベースを作成した。
AOM, OME患者のチューブ留置による中耳細菌叢の変化として、前年度にチューブ留置を行った患児の内、1年半以上再燃の無い者に対し、全麻下チューブ抜去を行った。チューブ抜去後、鼓膜穿孔より生食で鼓室内を洗浄し、洗浄液を回収する。洗浄液を用いてDNAを抽出、16SrDNA遺伝子を用いた網羅的遺伝子解析により健常状態の中耳細菌叢を評価した。共通する細菌種の有無、常在菌の構成比を主成分分析を用いて検討するとともに、チューブ留置により菌叢の代謝活性が増加し、増殖能が活発化しているか、分裂期に作用する細胞壁合成阻害剤の抗菌効果が改善するかどうかを評価した。
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