本研究では、健常児鼻汁、急性中耳炎患児の鼻汁及び中耳貯留液検体を用い、細菌叢を網羅的に解析し、半定量的菌量分布を評価した。1.健常な鼻咽腔細菌叢の把握と肺炎球菌ワクチンの影響2.上気道感染後の鼻咽腔細菌叢の把握と健常状態との比較3.中耳細菌叢の存在と、同一症例における鼻咽腔細菌叢との比較4.同一症例における抗菌薬投与前後の鼻咽腔細菌叢の変化について検討を加えた。健常児鼻咽腔には、常在菌優勢種の存在が示唆された。抗菌薬暴露後の鼻咽腔細菌叢は、全菌数が増加し3大起炎菌の占有率が高かった。中耳細菌叢の存在と、鼻咽腔・中耳共通菌種の存在が示された。
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