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2013 年度 実施状況報告書

好酸球性副鼻腔炎の術後再発予防戦略の構築を目指した局所免疫応答の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25861586
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

中山 次久  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50408431)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード慢性副鼻腔炎 / 好酸球 / 一酸化窒素
研究概要

好酸球性副鼻腔炎は、鼻副鼻腔粘膜に著明な好酸球浸潤を来たし、内視鏡下鼻内手術後にも再発を繰り返す難治性副鼻腔炎である。好酸球性副鼻腔炎における再発に関与する因子を明らかにする事を目的に研究を行った。
慢性副鼻腔炎術後における客観的な炎症の評価として、内視鏡下鼻内手術後41症例において、携帯型NO(一酸化窒素)濃度測定モニター(Nobreath, Bedfont社)を用いて鼻呼気NOを測定するとともに、上顎洞粘膜の粘液線毛機能の評価として、上顎洞内にサッカリン顆粒をおき甘みを感じるまでの時間を測定した(サッカリンテスト)。その結果、NOを過剰産生している症例では粘液線毛機能機能は低下しており、またNOの産生が低下している症例においても低下が認められ、決定係数は低いが優位な二次回帰曲線が得られた(R2=0.173, p=0.027)。また、初回症例に限定した場合も同様の結果が得られた(R2=0.260,p=0.017)。この結果からは、NOが過剰産生している症例では、炎症に加えてNOによる上皮細胞障害により粘液線毛機能が障害されていると考えられ、低下している症例は、主に副鼻腔炎そのものによる上皮細胞障害により粘液線毛機能が障害されていると考えられた。粘液線毛機能の点からは適度なNOの産生が重要である事が判明した。
また、Th細胞のバランスと各Th細胞サイトカインを検討するため、慢性副鼻腔炎症例において鼻茸もしくは副鼻腔粘膜を採取後、直ちに液体窒素にて凍結して-70℃にて保存し、本研究の登録症例とした。採取した組織よりmRNAを抽出し、転写因子やTh細胞が産生するサイトカインについてリアルタイムPCRにて解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度は、本研究に必要な症例は順調に登録ができ、NOに関する研究は鼻呼気NO測定用のアダプターの開発が順調に進んだことにより予定通りに行えているが、リアルタイムPCRによるサイトカインのmRNAの発現の解析までは至らなかった。

今後の研究の推進方策

慢性副鼻腔炎症例の登録の蓄積や、登録症例の内視鏡下鼻内手術の術後経過をさらに調査するとともに、採取保存している検体を用いて、各転写因子(FOXP3, GATA3, T-bet, RORγt)、各Th細胞が産生するサイトカイン(IL-5,IL-13,IFN-γ, IL-10, IL-1β, TGF-β, IL-17)のmRNAをリアルタイムPCRにて解析する。

次年度の研究費の使用計画

リアルタイムPCRによる、転写因子やTh細胞が産生するサイトカインのmRNAやタンパク質の解析まで至らなかったため
今年度施行予定であった、リアルタイムPCRによるmRNAやELISAによりタンパク質の解析のためのキットや試薬の購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 慢性副鼻腔炎術後における鼻呼気NO測定の意義2013

    • 著者名/発表者名
      中山次久
    • 学会等名
      第114回日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20130518-20130518

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公開日: 2015-05-28  

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