当初は、げっ歯類の緑内障モデルでシナプス分布の解析を予定していたが、うまくいかなかった。そこで、研究計画を一部変更し、医学研究に重要だが他の実験動物より研究が進んでいないブタを用いて、網膜神経節細胞の形態分類とシナプス分布の解析を行なった。ブタの網膜培養法と遺伝子銃による遺伝子導入法の開発に着手し、細胞形態マーカーやシナプスマーカーの遺伝子導入に成功した。特に網膜の内網状層に二層の樹状突起を伸ばす二層性の網膜神経節細胞に注目して形態分類を行ない、これまでブタでは未報告の運動方向選択性の網膜神経節細胞の候補を含め、数種類の二層性の網膜神経節細胞が存在することを形態的に同定することができた。
|