Variational Bayes approximationを用いたベイズ線形回帰モデルに関しては、順調に進捗し、7回分の視野検査を用いて単回帰にて視野を予測した場合と、1回のみの視野検査を用いて本法にて予測をした場合の予測精度がほぼ同等であることが示された。この結果については論文として発表した。(Murata et al. IOVS 2014) またこの方法は、視野検査時において、閾値が決定した測定点の情報を用いることで、逐次事後分布を更新することができ、したがって、検査時間短縮のためのアルゴリズムとして応用することが可能であると考えており、現在オクトパス社の視野検査機器を用いて実証実験を始めるための準備を進めている。さらに、ブラケット法に代わる閾値の決定方法についても新たな方法を考案し、現在その準備作業を行っている。 また、 視野データのデータベース構築に関しては他大学と共同で進めており、データのフォーマットも決定し、現在データを追加している最中である。 また研究を進める過程でゲイズトラックのデータが視野の正確性を測るうえで有用であることを発見した。現在までゲイズトラックのデータに関する研究はほぼ皆無であったが、そのデータをデータベースから抽出し、解析することにより、視野検査中の固視のずれは視野検査の結果の過小評価につながることを発見し、この結果を論文として発表した。(Ishiyama et al. IOVS 2014)
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