サルコイドーシスは眼、肺、皮膚などに肉芽腫を形成する、原因不明の炎症性疾患である。近年、皮膚常在菌であるアクネ菌がサルコイドーシスの肉芽腫の内部に存在する事が分かり、アクネ菌に対する免疫反応がサルコイドーシスの原因と考えられている。本研究は、マウスの尾静脈からアクネ菌生菌を注射する事でアクネ菌感染マウスを作成し、続いてアクネ菌に対する細胞性免疫反応を誘導する事でアクネ菌を中心とした肉芽腫を形成する眼サルコイドーシス実験モデルの作成を試みた。その結果、多くの実験マウスの肺と肝臓に肉芽腫が形成され、その中にアクネ菌に対する抗体で染まる部位が確認されたが、眼内には肉芽腫性炎症は観察されなかった。
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