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2014 年度 実施状況報告書

加齢黄斑変性における能動的ネクローシスの役割

研究課題

研究課題/領域番号 25861637
研究機関九州大学

研究代表者

村上 祐介  九州大学, 大学病院, 助教 (50634995)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード網膜変性 / ネクローシス / DAMPs
研究実績の概要

加齢黄斑変性(AMD)患者の網膜には二本鎖RNA (dsRNA)や脂質が大量に存在し、病態への関与が示唆されている。本研究では、dsRNA網膜傷害モデルを用いて、網膜色素上皮細胞死ならびに視細胞死のメカニズムを検討した。平成25年度の研究から、dsRNA網膜傷害モデルの細胞死にはネクローシスの関与があること、さらにネクローシス誘導の鍵分子であるRIPKの阻害により、網膜傷害が抑制されることを明らかとした。本年度はさらにネクローシスによって誘導される炎症に着目して研究を進め、網膜傷害時にはHMGB1に代表されるDamage associated molecular patterns (DAMPs)の眼内の発現が亢進すること、さらにin vitroのアッセイからネクローシス由来のDAMPsがマクロファージの活性化に関与することを明らかとした。dsRNA網膜傷害モデルにおいて、RIPKの阻害は細胞死のみならず炎症も抑制することから、ネクローシスー炎症の悪性サイクルが病態の増悪に関与する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

dsRNAによる網膜傷害のメカニズムを詳細に解析することに成功し、その成果をCell death and differentiation誌に報告した。AMDの別モデルである高脂肪食負荷ApoEノックアウトモデルマウスについても検討を進める予定であるが、九州大学医学部の臨床研究棟の移動に伴い、実験動物の移動や検疫のため、平成26年度の約9ヶ月間動物実験を円滑に行うことができなかった。そのため研究期間を平成27年度まで延長し、研究計画を実施する予定とした。

今後の研究の推進方策

ApeEノックアウトマウスモデルを用いて、AMDにおけるネクローシスの関与についてさらに検討を進める予定である。またAMD患者の前房水サンプルを用いて、ネクローシス関連分子の変化についても検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

九州大学医学部臨床研究棟のリフォームに伴い、2014年4月より眼科研究室の移動があった。移動に伴い、眼科研究室で管理していた実験動物をアニマルセンターへ移動する必要があり、実験動物の検疫や再繁殖のために約9ヶ月間動物実験を円滑に行うことができず、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

現在は動物実験を再開しており、予定された研究計画に則り、研究を実施する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] programmed necrosis, not apoptosis, is a key mediator of cell loss and DAMP-mediated inflammation in dsRNA-induced retinal degeneration2014

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Murakami, Hidetaka Matsumoto, Miin Roh, Andrea Giani, Keiko Kataoka, Yuki Morizane, Maki Kayama, Aristomenis Thanos, Shunji Nakatake, Shoji Notomi, Toshio Hisatomi, Yasuhiro Ikeda, Tatsuro Ishibashi, Kip Connor, Joan Miller, Demetrios Vavvas
    • 雑誌名

      cell death and differentiation

      巻: 21(2) ページ: 270-7

    • DOI

      10.1038/cdd.2013.109.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Receptor interacting protein kinase promotes necrosis and enhances inflammation in dsRNA-induced retinal degeneration2014

    • 著者名/発表者名
      Yusuke Murakami, Tatsuro Ishibashi, Joan Miller, Demetrios Vavvas
    • 学会等名
      World Ophthalmology Congress
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2014-04-03 – 2014-04-06

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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