成人の失明原因として主要な割合を占めている糖尿病網膜症の病態解明・治療法の確立が非常に重要な問題となっている。視力障害の原因としては新生血管緑内障と並んで血管透過性の亢進による網膜浮腫が最も重要な病態である。糖尿病網膜症の血管新生や血管透過性の亢進には血管内皮増殖因子(VEGF)が主要な役割を担っていることが明らかになっている。糖尿病網膜症以外のもVEGFが強く関与している網膜疾患として、網膜静脈閉塞症があげられる。その中でも網膜中心静脈閉塞症は虚血型になると視力予後が著明に悪くなる。 網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対し、抗VEGF薬で加療した症例の血流速度をレーザースペックルフローグラフィーで測定し、治療後の血流がその予後と深く関わっていることを報告(Matsumoto M et al. Retinal blood flow levels measured by laser speckle flowgraphy in patients who received intravitreal bevacizumab injection for macular edema secondary to central retinal vein occlusion. Retin Cases Brief Rep 2014; 8:60-66. Matsumoto M et al. Retinal Blood Flow after Intravitreal Bevacizumab Is a Predictive Factor for Outcomes of Macular Edema Associated with Central Retinal Vein Occlusion. Retina 2017. )した。 糖尿病黄斑浮腫を抗VEGF薬で加療した際の血流変化、トリアムシノロンアセトニドのテノン嚢下で加療した時の血流変化、また手術による血流変化などそれぞれ学会発表すみ。
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