本研究では重篤な角膜疾患の治療に使用する培養角膜上皮細胞シートの品質を電気抵抗値(TER)で評価し、質の高いシートを移植に使用できるか検討した。角膜上皮細胞シートの細胞間結合が密になるとTERは上昇した。ウサギ角膜にTERの高い角膜上皮細胞シートを移植したところ、生着することが確認された。臨床で用いる角膜上皮細胞シートでも、TER評価で移植後の状態を予見できる可能が高くなった。 さらに角膜上皮の質を悪化する要因として、移植後に投与する点眼薬の防腐剤の塩化ベンザルコニウムがあったが、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などの添加で、角膜上皮細胞シートの質を保つことができる可能性が示唆された。
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