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2013 年度 実施状況報告書

サルコイドーシスの病態形成を規定する遺伝要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25861643
研究種目

若手研究(B)

研究機関横浜市立大学

研究代表者

澁谷 悦子  横浜市立大学, 医学部, 助教 (70597228)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードサルコイドーシス / 遺伝子
研究概要

サルコイドーシスは、全身の諸臓器・組織に、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が形成され、様々な臓器傷害を呈する難治性炎症性疾患である。眼、肺、リンパ節、皮膚の罹患頻度が高く、肝臓、腎臓、脾臓、心臓、神経系、筋肉、骨、唾液腺、子宮などの臓器にも病変が出現する。本邦では、ぶどう膜炎の原因疾患として上位を占め、心臓病変を主因とする死亡の割合が高い。そのため、サルコイドーシスの病因・病態を解明し、サルコイドーシスの適切な診断および治療法を確立することは、非常に有意義なものといえる。したがって本研究では、すでに取得しているゲノム全域に渡る遺伝子変異のデータ(GWASデータ)を有効に活用し、サルコイドーシスの多様な病態形成を規定する遺伝要因の解明を行う。
平成25年度は、日本人集団を対象にしたGWASデータをもとに、病変部位ごとの層別化解析を実行し、各病変と相関する遺伝子変異を網羅的なスクリーニング(1次スクリーニング)を実行した。その後、1次スクリーニングによりピックアップされた遺伝子変異を対象に、新たな日本人集団を用いて病変部位ごとの層別化解析を行い、1次スクリーニングの結果の追試(2次スクリーニング)を行った。現在までに、複数の遺伝子変異において、サルコイドーシスの各病変の形成に影響を与える可能性を見出している。今後、特定した遺伝子領域の詳細な解析および遺伝子の機能解析を行うことで、遺伝要因の介するサルコイドーシスの病態形成の機序が解明されることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、すでに取得しているゲノム全域に渡る遺伝子変異のデータ(GWASデータ)を有効に活用し、サルコイドーシスの多様な病態形成を規定する遺伝要因の解明を行う。
現在までに、サルコイドーシスの各病変の形成に影響を与え得る複数の遺伝子変異を見出している。したがって、本遺伝子解析をより詳細に進めることで、遺伝要因の介するサルコイドーシスの病態形成の機序が解明されることが期待される。
以上より、本研究は当初の研究計画のとおり、「おおむね順調に進展している。」といえる。今後引き続き研究を進めることで、当初の目標を達成できると考えている。

今後の研究の推進方策

平成25年度までに、日本人集団において、サルコイドーシスの各病変の形成に影響を与え得る複数の遺伝子変異を見出している。したがって、平成26年度は、日本人集団を用いて見出した遺伝子変異が他の人種集団においても同様に病変形成のリスクファクターとなるかを検討し、特定した遺伝子変異と病変の相関が、日本人特異的なものであるか、または人種を超えたものであるかを検討する。
さらに、特定した遺伝子変異が如何に遺伝子の機能に影響を与えるかを検討する。遺伝子内変異はしばしば遺伝子の発現量の制御に関与する場合があるため、本解析において、遺伝子変異と遺伝子発現量の関連を調査する。本解析では、リアルタイムRT-PCR法を用いて遺伝子の発現量を定量し、遺伝子変異の有無における遺伝子発現量の比較を実行する。

次年度の研究費の使用計画

2次スクリーニング後に予定していた同定した遺伝子領域の詳細な解析(imputation解析およびTaqManアッセイ解析)が平成25年度中に完了しなかったため、当初使用する予定であった試薬・消耗品類の費用において未使用分が生じた。平成26年度中に上記解析を実行するため、平成25年度未使用額分を平成26年度中に使用する。
本研究の2次スクリーニング後の同定した遺伝子領域の詳細な解析において使用する試薬・消耗品類に充てる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Postoperative refractive error following cataract surgery after the first attack of acute primary angle closure.2014

    • 著者名/発表者名
      Nishide T, Hayakawa N, Kimura I, Nakanishi M, Yagi Y, Shibuya E, Mizuki N
    • 雑誌名

      Int Ophthalmol

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reduction in choroidal thickness of macular area in polypoidal choroidal vasculopathy patients after intravitreal ranibizumab therapy.2013

    • 著者名/発表者名
      Nishide T, Hayakawa N, Nakanishi M, Ishii M, Okazaki S, Kimura I, Shibuya E, Mizuki N
    • 雑誌名

      Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol

      巻: 251(10) ページ: 2415-2420

    • DOI

      10.1007/s00417-013-2419-z

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Preoperative factors associated with improvement in visual acuity after globe rupture treatment.2013

    • 著者名/発表者名
      Nishide T, Hayakawa N, Nakanishi M, Ishii M, Kimura I, Shibuya E, Nomura E, Mizuki N
    • 雑誌名

      Eur J Ophthalmol

      巻: 23(5) ページ: 718-722

    • DOI

      10.5301/ejo.5000252

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A case of corneal endotheliitis with mumps virus RNA in aqueous humor detected by rt-PCR.2013

    • 著者名/発表者名
      Ando K, Ishihara M, Kusumoto Y, Shibuya E, Nakamura S, Mizuki N
    • 雑誌名

      Ocul Immunol Inflamm

      巻: 21(2) ページ: 150-152

    • DOI

      10.3109/09273948.2012.747619

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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