研究課題/領域番号 |
25861647
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
土橋 尊志 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90337577)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 網膜血管腫様増殖 / 疾患感受性遺伝子 / HTRA1 / 次世代シーケンス解析 |
研究概要 |
本研究は網膜血管腫様増殖(RAP)に関連する遺伝子解析を行い、他の病型と比較検討し、RAPの分子メカニズムの詳細を明らかにし、新たな治療戦略開発の重要な情報源を得ることが目的である。一塩基遺伝子多型(SNP)解析はPCR解析、TaqMan SNPジェノタイピングアッセイ(Applied Biosystems社)を用いて行った。RAP症例においては、HTRA1遺伝子プロモーター領域のrs11200638多型について、リスクアレルのホモ遺伝子型が他のAMD 病型に比べ高い確率で見られた。1) 初診時の視力、2)RAPのステージ分類と、臨床所見である網膜内浮腫(IRE)、漿液性網膜剥離(SRD)、網膜色素上皮剥離(PED)、集簇性の軟性ドルーゼン(SD)、網状偽ドルーゼン(RPD)、脈絡膜網膜吻合(CRA)の有無、3)片眼性/両眼性とHTRA1遺伝子との関連を解析した。年齢、性別に各遺伝子型で有意差はみられなかった。初診時視力はHTRA1リスクホモ遺伝子型で視力が悪く、非リスクホモ遺伝子型で視力が良好である傾向がみられた。また検討したRAPの臨床所見のなかでは、ドルーゼン(偽網状・集簇性とも)がHTRA1遺伝子多型と関連する傾向がみられRAPの病態進行に関与することが統計学的に示された。またリスクホモ遺伝子型の症例の大半において、僚眼のRAPが発症した。次世代シーケンス解析も解析準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RAP症例に関してはサンプル数が30例以上収集できており、HTRA1遺伝子とRAPの臨床的特徴(年齢、性別、視力、両眼発症、眼底所見など)との関連については解析を行いある程度の成果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに滲出型AMDとの関連が報告された遺伝子とその発症に関連が疑われる因子(補体系を介した炎症、脂質代謝など)に関連する代表的な遺伝子として、CFH (complement factor H)、TIMP3(tissue inhibitor of metalloproteinase 3)、CETP(cholesteryl ester transfer protein)、REST等の遺伝子多型とRAPとの関連性についても現在進行中である。さらに、次世代シーケンス解析については、平成25年12月に本学倫理委員会の承認(承認番号736)が得られ、解析準備を進めている。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまでに滲出型AMDとの関連が報告された遺伝子とその発症に関連が疑われる因子(補体系を介した炎症、脂質代謝など)に関連する代表的な遺伝子として、CFH (complement factor H)、TIMP3(tissue inhibitor of metalloproteinase 3)、CETP(cholesteryl ester transfer protein)、REST等の遺伝子多型とRAPとの関連性については解析機器の新規導入時期であり、解析が遅れているため。また次世代シーケンス解析については、平成25年12月に本学倫理委員会の承認が得られ、解析準備を進めている段階であるため。 また次世代シーケンス解析を行うサンプルリストは30名程度すでに収集できており、解析は現在進行中である。
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