研究課題/領域番号 |
25861653
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山口 昌大 順天堂大学, 医学部, 助教 (20574700)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 角膜内皮移植術 / デバイス開発 |
研究概要 |
平成25年度の研究目標は培養内皮細胞シートを使用し、内皮細胞減少率を改善しうる角膜内皮移植術(DMEK)インジェクターの開発を行うことである。DMEK術後の内皮減少率は角膜内皮移植術(DSAEK)より高く、術後6ヶ月の減少率が36-40%と報告されている。内皮細胞減少の原因として、DMEKグラフト作成および挿入時の侵襲、術後前房内環境などが考えられ、特にDMEK術中の侵襲が大きく関与していると考えられる。ドナー不足の現状において、ドナー角膜を利用した術式検討は不可能である。培養内皮シートを作成し、内皮細胞減少を抑制しうる術式を開発することは有用であると考える。 我々はまず培養内皮細胞シートを作成し、細胞密度、細胞マーカーの発現を検討した。細胞密度は3000/mm2であり、ZO-1、Na-K ATP-aseが発現していることを確認した。市販されているIOLインジェクター(A, B)、DMEK用インジェクター(C)を使用し、in vitroで内皮シートの装填およびリリースを行った。いずれもシートの装填に時間を要し、リリースにおいてもシートがちぎれる、リリースできないなどのトラブルが起き、臨床応用に適さないと考えられた。最近、DMEK専用インジェクターが2社より発売された。これらの有用性について今後実験をおこなう。また、ex vivo豚眼モデルにおいて、内皮シートの挿入における簡易性、術中操作性を評価していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
培養角膜内皮シートの作成にあたって培養環境の確立に時間がかかり、培養開始が遅れてしまった。更に、角膜内皮移植(DMEK)の手術に利用されているインジェクターは、水晶体再建術に利用されるIOLインジェクター、角膜内皮移植(DSAEK)に利用されるDSAEKインジェクター、およびDMEKインジェクターなど多岐の報告がされている。DMEKはまだ完成された術式ではなく、術式やデバイスの改変が行われ、情報収集および選別、さらには臨床応用に向けた利便性の評価に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
最近、DMEK専用インジェクターが2社より発売された。また、海外ではjones-tubeにシリンジをつけたデバイスが利用されている。これらの有用性について今後実験をおこなう。また、ex vivo豚眼モデルにおいて、内皮シートの挿入における簡易性、術中操作性を評価する。その後、in vivo 兎眼モデルに培養内皮シートを移植し、内皮細胞減少を抑制しうるデバイスを開発していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
培養角膜内皮シートの作成にあたって培養環境の確立に時間がかかり、培養開始が遅れてしまった。更に、角膜内皮移植(DMEK)の手術に利用されているインジェクターは、水晶体再建術に利用されるIOLインジェクター、角膜内皮移植(DSAEK)に利用されるDSAEKインジェクター、およびDMEKインジェクターなど多岐の報告がされている。DMEKはまだ完成された術式ではなく、術式やデバイスの改変が行われ、情報収集および選別、さらには臨床応用に向けた利便性の評価に時間を要した。 今年度の実験予定であったex vivo豚眼モデルへの移植、内皮細胞減少率の評価に使用する。最近報告されているDMEKインジェクターの有用性について評価する。具体的にはPKH26染色を行った内皮細胞シートを移植し、デバイスおよび術中操作によって生じる内皮減少率を評価する。また、ex vivo豚眼モデルにおいて、内皮シートの挿入における簡易性、術中操作性を評価する。その後、in vivo 兎眼モデルに培養内皮シートを移植し、内皮細胞減少を抑制しうるデバイスを開発していく予定である。
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