研究課題/領域番号 |
25861654
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
松永 芳径 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (20421050)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 視神経炎 / 軸索変性 / 網膜 |
研究実績の概要 |
多発性硬化症に伴う視神経炎の動物モデルである、実験的自己免疫性視神経炎(EAON)をミエリン蛋白をマウスに免疫し作成した。そして、病理学的評価を行うと、軸索の携帯が保たれるにも関わらず視力の低下が認められた。このことから、何らかの液性因子が視力低下に関与することが考えられた。
昨年度は、マウスモデルでの液性因子の存在を特定することができなかった。本年度は、視神経炎患者の白内障手術時に採取した前房水中に自己抗体の存在を確認することができた。この結果をふまえ、視神経炎患者の血清とラット網膜組織との免疫染色を行ない網膜内の抗原に反応する抗原の存在を確認することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、仮説を立てた液性因子の存在をマウス視神経内に特定することが出来なかった。臨床的に、眼内に自己抗体が存在する結果を得たことをふまえ、ヒト血清とラット網膜を反応させる実験系を改めて構築したため。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、ヒト網膜組織と視神経患者血清とを反応させ免疫染色を開始している。今後、網膜内のどの抗原と反応しているか特定する必要がある。
また、マウスモデルにおいて、グリア細胞と神経軸索の接合部に存在する蛋白の存在を免疫染色を行い染色されることが確認できた。この蛋白に対する自己抗体が多発性硬化症患者に存在する報告が存在するため、視神経炎患者血清中に自己抗体が存在するか網羅的に検索を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた、マウス視神経内に存在する液性因子を検索するための高感度のELISA実験を施行しなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
マウス神経軸索に存在する蛋白に対する自己抗体が、多発性硬化症患者においても存在することが報告されている。視神経炎患者血清内に軸索に対する自己抗体が存在するかELISAで測定を行う計画を立案した。
|