本研究では黄斑部遺伝性疾患を対象に、臨床的、分子遺伝生物学的所見を元に、病態生理に即した治療導入の準備体制確立を行った。集積症例は2015年3月までに143家系167症例で、29家系について遺伝学的診断が得られ、内訳はRP1L1(17家系)、ABCA4(3)、BEST1(2)、GUCA1A(2)、GUCY2D(2)、ADAMTS18(1)、PDE6C(1)、RPGR(1)であった。RP1L1網膜症について有意な遺伝子型表現型関連は示されなかったが、ABCA4については、英国との連携の元、有意な遺伝子型表現型関連が確認され、治療導入が検討されている。
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