研究課題/領域番号 |
25861664
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三瀬 直子 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (40646402)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 免疫治療 / ADCC / Neuroblastoma / NKT細胞 / NK細胞 |
研究概要 |
本研究では神経芽腫に対するNKT細胞の抗腫瘍効果、並びにNKT細胞と抗GD2抗体療法の併用による抗腫瘍活性の相乗効果を明らかにすることを目的とする。 平成25年度は、まず複数の神経芽腫細胞株におけるCD1d及びGD2発現、またNKT細胞におけるNK細胞レセプター発現を解析し、NKT細胞が直接的に腫瘍細胞や抗体を認識できる可能性について検討した。Flow cytometryによる神経芽腫細胞株の解析ではどの細胞株にもCD1dは発現しないかごくわずかであり、GD2は腫瘍株によりほとんど発現しないものから強発現するものまで差がみられた。また、培養・増殖させたNKT細胞の一部はNKレセプターであるCD56やCD16を発現することが示された。 さらに、NK細胞及びNKT細胞を用い抗GD2抗体存在下及び非存在下で神経芽腫細胞株に対する細胞傷害活性を検討した。抗体存在下では神経芽腫細胞株のGD2発現量依存的にNK細胞の細胞傷害活性が増強した。一方、NKT細胞の一部はCD16を発現するにもかかわらず、抗体併用による細胞傷害活性の増強は認められなかった。次いで、NKT細胞存在下でGD2高発現の細胞株NMBに対するNK細胞の細胞傷害活性を検討したところ、αGalCerにより再活性化された培養NKT細胞は再活性化しない場合と比べ、抗体存在下でのNK細胞の細胞傷害活性をより増強する可能性が示唆された。 今後はNKT細胞がNK細胞の抗体依存性細胞傷害活性を増強させるメカニズムの解明や、現在作成中であるNOGマウスの神経芽腫モデルを用いたin vivoでの検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
In vitroでの実験は概ね順調にすすんでいる。 一方、NOGマウスにおける神経芽腫モデルは作成において、外科的手技による腫瘍の同所性モデルや静脈内投与による転移モデルの作成はすすんでいるが、未だ治療の開始時期などの確立にはいたっておらず、治療モデル作成という面では遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
In vitroにおいて、NKT細胞によるNK細胞の抗体依存性細胞傷害活性増強効果及びそのメカニズムについて、RT-PCRやFlow cytometryなどほかの手法を用いた検討、サイトカイン解析などを行い明らかにしていく。 また、NOGマウスの神経芽腫モデルを用い、in vivoにおいてNKT細胞と抗体療法の併用による治療効果を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
マウスモデルの実験に遅れが生じており、NOGマウス購入を一部見送ったため NOGマウスの追加購入に使用予定
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