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2013 年度 実施状況報告書

プロテオミクスを用いた胆道閉鎖症の新規マーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 25861666
研究種目

若手研究(B)

研究機関三重大学

研究代表者

大竹 耕平  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40378344)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード胆道閉鎖症 / バイオマーカー / プロテオミクス / shotgun proteomics / MRM
研究概要

本研究は胆道閉鎖症(以下,本症)のホルマリン固定パラフィン包埋された(以下,FFPE)肝組織を用い,さらに2D gelを用いないshotgun proteomicsによる解析を行い,新規バイオマーカーを検討するという本症では世界初の試みである.現在,本症組織 4例と肝臓に病変のない,小児剖検例の肝組織4例(=正常肝組織)からタンパク質を抽出した。それぞれのサンプルのタンパク質濃度を測定し,本研究が実施可能な十分量のタンパク質が抽出できたことを確認した。それぞれのサンプルから125マイクログラムのタンパク質を分け,500マイクログラムとし,ペプチド消化を行った。消化ペプチド溶液のFractionation,Mass spectrometryでの解析とタンパク質の解析を行い,2群合わせて合計162種類のタンパク質が同定され,本症の肝組織特有のタンパク質が58種類同定された.58種類のタンパク質にはデータベースによる解析で,4型コラーゲンなどの肝の線維化を示すマーカーなどが含まれていた.さらに,タンパク質の機能を検討することで,新規バイオマーカーの可能性のあるタンパク質として,肝,胆道系の炎症,線維化や肝組織のautophagy と関連すると報告されているIsoform 2 of Annexin A2,Betaine--homocysteine S-methyltransferase 1,Cathepsin D,Lysosome-associated membrane glycoprotein 2を選出した.これらのタンパク質に対するMRMのメソッドを作成し,検証実験を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在,胆道閉鎖症の新規バイオマーカーとして,Isoform 2 of Annexin A2,Betaine--homocysteine S-methyltransferase 1,Cathepsin D,Lysosome-associated membrane glycoprotein 2を選出し,MRMメソッドを構築しました。計画書にあるMRMでのサンプルの測定には現時点では至っておりません。理由としてはShotgun proteomicsを行うに当たり,Mass spectrometerの機種の違い(研究代表者が留学時に使用していたものはWaters社製,現在使用しているものはAbsciex社製)により,Shotgun proteomicsの測定方法の構築や解析に時間を要しました。また,検出されたタンパク質に対し,それぞれWeb上のタンパク質に関する情報と照らし合わせ,バイオマーカーとなる可能性のあるタンパク質を選出するのに,様々な情報を確認するため,時間を要しました。

今後の研究の推進方策

今後,MRMを用い胆道閉鎖症の新規バイオマーカーとして,Isoform 2 of Annexin A2,Betaine--homocysteine S-methyltransferase 1,Cathepsin D,Lysosome-associated membrane glycoprotein 2についての検証を行う予定であるが,他の58の本症特有のタンパク質についても,可能であれば,再検討を行い,バイオマーカーとしての評価を行う予定である。現時点で,ヒトサンプルでの十分な検証が必要であると考え,当初予定していた動物モデルでの検証ではなく,本症のサンプルでの免疫染色,血液サンプルでのELIZA法により,選出されたバイオマーカーの検証を行う予定である。選出されたバイオマーカーをより,実臨床での応用に近づけるためにはヒトサンプルでの十分な検証が重要であると考えられる。繰り返しになるが,今後の流れとしては,①新規バイオマーカーの可能性のあるタンパク質のMRMでの検証(肝組織サンプル),②新規バイオマーカーの免疫染色での検証(肝組織サンプル),③本症,新生児肝炎の血液サンプルでのELIZA法での検証となる。これらを行うことで,本症の早期診断,不要な手術的胆道造影の回避などが可能になる可能性がある。

次年度の研究費の使用計画

物品等の調達を効率的に行うことで,上記の未使用額が生じた。
次年度の物品の調達等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Proteomicsによる胆道閉鎖症の新規バイオマーカーの検討2014

    • 著者名/発表者名
      大竹耕平,内田恵一,小林裕子,松下航平,小池勇樹,井上幹大,小林一成,田中光司,楠 正人
    • 学会等名
      第51回 日本小児外科学会学術集会
    • 発表場所
      大阪府大阪市
    • 年月日
      20140508-20140510
  • [学会発表] 胆道閉鎖症における肝組織内タンパク質のshotgun proteomicsによる同定

    • 著者名/発表者名
      大竹耕平,内田恵一,小林裕子,小池勇樹,井上幹大,田中光司,小林一成,楠 正人
    • 学会等名
      第40回 日本胆道閉鎖症研究会
    • 発表場所
      茨城県水戸市

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公開日: 2015-05-28  

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