小児肝移植患者では移植間が長期に生存する必要があるが、肝グラフト機能の長期的維持については明らかになっていない。本研究では小児肝移植患者の長期フォローにより、グラフト肝の線維化の発生率を調査する。また、最近グラフト肝の傷害にドナー特異的抗体が注目されており、線維化とドナー特異的抗体の関連について検討した。 胆道閉鎖後肝硬変に対し生体肝移植を施行した23人のうち17人(74%)にグラフト肝の線維化を認め、ドナー特異的抗体陽性患者に線維化が進行する傾向を認めた。これらの関連についてはさらなる検討が必要であるが、本研究が線維化を予防して小児肝移植患者の長期生存につながることを期待する。
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