研究課題/領域番号 |
25861672
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
須田 博子 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (40632659)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Sox9 / 胆道閉鎖症 / 細胆管増生 / 線維化 |
研究概要 |
胆道閉鎖症は周産期に何らかの機序で胆管が閉塞し、生後肝門部腸吻合術(葛西手術)が必要となる病気であり、未だ病因は明らかにはなっていない。本研究は、胆管の発生や肝再生・線維化において重要な役割を担っているとされているSox9遺伝子の胆道閉鎖症における役割を、Sox9コンディショナルノックアウトマウスを用いて解明し、胆道閉鎖症の病因や発症予知、病態の評価、病態進展の予防に資することを目的としている 。 今年度は、Sox9コンディショナルノックアウトマウスの作製とそのマウスの表現型解析を行った。loxPという特定DNA 配列を標的とした組換え酵素Creが発現するとloxPに挟まれた配列を欠失させることのできるCre/loxPシステムを利用した。Alb(アルブミン)-CreドライバーマウスとSox9-floxedマウスを交配させ、Alb Cre/+;Sox9 flox/floxマウスを得ることで、Alb陽性細胞におけるSox9ノックアウトマウスを作製した。マウスにおけるAlbの発現は、胎生期に肝細胞と胆管細胞に分化する前の肝芽細胞の時点から発現が始まるため、免疫組織化学染色において中枢側の胆管を除くほとんどの胆管におけるSox9のノックアウトが確認された。しかし、出生後の胆管における形態学的な異常を確認することはできなかった。したがって、SOX9が直接はマウスにおける胆管の器官形成に影響しない可能性も示唆されたが、慢性肝障害時にみられる増生細胆管及びその周囲に見られる肝線維化には、SOX9が大きく寄与していることが今までの報告から推測されるので、次年度以降、SOX9コンディショナルノックアウトマウスを用いた肝障害モデルでのSOX9の機能解析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的では、胆管系細胞特異的Sox9ノックアウトマウスの作製と解析を行う予定であったが、CK19-CreERT2マウスを導入することができなかったため、代用としてAlb-Creドライバーマウスを用いることとなった。但し、障害肝におけるSox9の機能を解析するという目的を達成することに関しては問題ないため、今後はこのノックアウトマウスを用いて解析を進めるが、CK19-CreERT2マウスが導入できるように交渉を続けていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、胆道閉鎖症類似病態におけるSox9遺伝子の寄与解析を行うため、Sox9ノックアウトマウスを用いた肝障害モデルマウスを作製し、肝障害時における胆管形成や線維化について、免疫染色を中心にコントロールマウスとの比較検討を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
Sox9コンディショナルノックアウトマウスの作製・繁殖に時間を要したため、その後の機能解析を行う時間が当初の予定より短かくなったため。 コンディショナルノックアウトマウスの飼育費及び免疫染色に使用する抗体の購入に使う予定である。
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