研究課題/領域番号 |
25861674
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
田井中 貴久 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30378195)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 胆道閉鎖症 / DNAマイクロアレイ |
研究概要 |
胆道閉鎖症(以下、本症)は、葛西手術が成功し胆汁が排泄されるようになっても、やがて肝硬変や肝不全の病態に陥ることが少なくない。この肝線維化と肝硬変の進行が大きな予後因子と考えられている。自己肝での成績は、未だ満足できるものではなく、長期的には約半数の患児達は肝移植を受けざるを得ないのが現状である。本研究の目的は本症における肝線維化、肝硬変の進行におけるメカニズムについて検討することである。本研究では、本症における血漿および肝組織を用いた研究を行う予定であり、当施設における倫理委員会の承認を得ているところであるが、本年度はこれまでのところ本症での検体が得られていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画においては、対象を本症の新患患児にしており、当施設における承認とインフォームドコンセントを取得した上で、本症患者の血漿を用いたTGF-β1測定と肝組織中のTGF-β1の測定とDNAマイクロアレイ分析による遺伝子の発現解析を中心に行う予定であった。しかしながら、本研究の開始後、これまでのところ本症患児がおらず、研究に必要な血漿や肝組織が得られていない。本研究に必要な検体が得られないことは、非常に重大な課題と考えており、以下に示すような方策を現在検討しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後も本症患児の検体を得ることの困難が予想されるため、現在近隣の他施設の協力を要請しているところである。新患患児に限らず、フォロー中の患児も場合によっては対象にすることも考えている。また、他施設の臨床検体を用いることが倫理上困難な場合には、対象を動物モデル(本症に類似したモデルを新たに作成)に変更するなどして、本研究を進めていきたいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の計画においては、本症患者の血漿を用いたTGF-β1測定と肝組織中のTGF-β1の測定とDNAマイクロアレイ分析による遺伝子の発現解析を中心に行う予定であった。しかしながら、本研究の開始後、これまでのところ本症患児がおらず、研究に必要な血漿や肝組織が得られていないため、来年度以降に使用させて頂きたいと考えている。 本年度の本症における血漿および肝組織中のTGF-β1の測定と、肝組織を用いたDNAマイクロアレイ分析とRT-PCRのpilot studyを次年度に行う予定とし、次年度はさらに当初の計画通りpilot studyをもとにして本症完全減黄症例(予後良好群)と生体肝移植症例(予後不良群)における初回手術時の肝組織のDNAマイクロアレイ分析とRT-PCRを行い、特に予後不良群においては移植時の肝組織を用いて遺伝子発現の刑事的変化についても比較検討する。
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