本研究は顕微鏡下に吻合可能な直径0.5-1.0mmの血管において、近赤外線が吻合血管の攣縮を予防し、皮弁移植による再建手術の成功に寄与するかどうかを明らかにすることを当初の目的とした。 研究期間内に近赤外線による吻合血管や血管茎の攣縮予防効果は明らかにできなかったが、副次的な成果として、近赤外線が有茎皮弁の生着範囲を延長することを明らかにできた。また、使用した実験モデルは近赤外線以外にも薬剤、サイトカイン、細胞等が皮弁生着範囲を延長するかどうか評価することが可能で、今後の皮弁生着範囲の研究に有用なモデルを確立することができた。
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