研究課題/領域番号 |
25861686
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
菊池 守 佐賀大学, 医学部, 講師 (20437677)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 糖尿病足病変 / 足底圧測定 / 関節可動域制限 |
研究概要 |
集学的救肢治療の発展によって多くの糖尿病足が救肢されるようになってきた今、次に重要になってくるのは救肢した足の変形を修正し歩行機能を維持することである。糖尿病足潰瘍の再発予防のためには足の機能評価を適切に行い、歩行サイクルの中で足底圧が特定の部位に集中しないよう生体力学(バイオメカニクス)に基づいた予防的手術を行う必要がある。それに先駆けて糖尿病足潰瘍と足の機能的問題との関連を明らかにするために、糖尿病足病変を持つ患者の歩行時足底圧のデータ集積を行った。 本年度は外来受診した糖尿病足病変を持つ患者の足底圧を立位と歩行中とで計測することにより、潰瘍の部位と歩行サイクルの中での足底圧の集中との相関を検討した。 来年度はこのデータをもとに予防的手術前後での足底圧の変化および手術の効果を検証する予定で会うr。 糖尿病足に対する経皮的アキレス腱延長術についての臨床的な報告は欧米にてみられるが、欧米とは特徴が異なるアジア人の糖尿病患者に対して詳細に行ったものはいまだないのが現状である。 本研究はこれまで本邦で行われてきた潰瘍局部への治療とはコンセプトが全く異なる新たな治療の基礎となる研究であり、日本の糖尿病患者に対する予防的手術の有効性が明らかになれば、本邦における今後の糖尿病足治療を大きく発展させる可能性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
形成外科装具外来を受診する糖尿病足病変患者に対し、F-SCANIIを用いて足底圧測定を行った。潰瘍部と歩行サイクル内での足底圧集中部位はおおむね一致していることがわかった。しかし、予防的手術の同意を得られる患者はそれほど多くなく、しかも予定していた前脛骨筋延長手術の適応となる患者はさらに少ない。
|
今後の研究の推進方策 |
前脛骨筋延長手術が適応になる患者はそれほど多くないことがわかった。26,27年度の内容は当初経皮的アキレス腱延長手術と前脛骨筋延長手術の効果判定および足底圧パターンの変化の検討であったが、予定を変更し経皮的アキレス腱延長術と足趾の形成手術の効果判定に変更する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
当該年度に購入予定であったフットビュークリニックについては産学連携共同研究を行っているアサヒコーポレーションが所有していたため購入の必要がなかった。 海外出張での旅費、英文校正などに支出しており、翌年度はその用途に用いる予定。
|