研究課題/領域番号 |
25861687
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
江尻 浩隆 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70529552)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 動静脈奇形 / 血管新生 / CAMアッセイ / 漿尿膜法 |
研究概要 |
血管奇形のうち血液貯留型病変では、病変からの大量出血や醜状変形を来たし、生活に著しい制限を生じる。血管奇形は、先天性であるものの、一部の症候群を除き、遺伝性はなく、単発生である。これまでの血管奇形に対する研究成果の多くは、組織免疫化学的手法によるものであり、その病態生理についての分子生物学的な検討は皆無に等しい。この原因として、血管奇形の動物モデルが存在しないことが大きな要因となっている。われわれは、血管奇形の動物モデルとして鶏卵絨毛尿膜(CAM)アッセイに注目し、血管奇形における血管新生をCAMアッセイにより評価し、血管奇形治療法の確立へ結びつけることを目的とした。 平成25年度は、動静脈奇形の手術検体を顕微鏡下に細片化して血管のみとし、CAMアッセイを行ったところ、コントロールに比べやや血管新生の程度が大きい傾向が認められた。しかし、一部の正常血管でも血管新生が認められており、統計学的な有意差が得られていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
血管奇形における血管新生をCAMアッセイで評価しているが、当初は手技に不安定さが生じ、最近ようやく手技に安定感が増してきた。コントロールに比べて動静脈奇形群ではやや血管新生の程度が大きい傾向が認められた。しかし、一部の正常血管でも血管新生が認められており、また現状ではまとまったデータが得られておらず、統計学的な有意差が得られていない。CAMアッセイは現状で実験系として十分に遂行可能な状態であるが、データの蓄積が得られていない状況を鑑み、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、血管奇形における血管新生をCAMアッセイで評価し、さらなるデータの蓄積に努めたい。さらに、血管増殖因子の同定に、マススペクトルを行い、タンパク質を網羅的に篩いにかけて選別し、血管増殖にかかわる因子の同定を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、研究者自身で実験を遂行する機会が多く、人件費の拠出がなかった。また、血管奇形の標本採取が当初計画よりも少なかったため、物品費に余剰が生じた。 平成26年度は鶏卵購入や、マススペクトル遂行等データ集積のため物品費が平成25年度より多くなることが予想される。また、得られたデータを国内外での研究成果報告を行う予定である。
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