研究課題/領域番号 |
25861688
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中桐 僚子 岡山大学, 大学病院, 医員 (10633753)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 再建外科学 |
研究概要 |
ラットの体内でinduced membraneの作成を試みた。ラットの背部皮膚を切開し皮下にシリコン製のインプラントを留置することによりinduced membaraneの作成ができた。induced membraneは簡便な方法で作成できるということが確認された。 インプラント留置後2週間で、再度ラットの背部皮膚を切開しinduced membraneが作成されていることを確認し、皮下に埋入したインプラントとともにインプラント周囲に形成されたinduced membraneとその周囲の皮下組織を一緒に採取した。 採取したinduced membraneとその周囲組織のヘマトキシリン・エオジン染色を行ったところ、induced membraneの外側に多数の血管の増生を認めた。このことよりインプラント埋入により形成されたinduced membraneの周囲の血流は増加していると考えられた。移植組織の生着を促進するためには豊富な血流が必要であり、このことよりinduced membraneの外側に脂肪移植を行うことにより、移植脂肪の生着率の上昇、質のよい脂肪の生着の可能性が示唆された。 また、採取した組織にPPAR-γでの免疫染色も行った。induced membraneの内腔側でPPAR-γが強く発現していることを確認することができた。PPAR-γは間質系の幹細胞を脂肪細胞へ分化させるために必須の転写因子である。induced membraneの内腔側でこのPPAR-γの発現が強いということは、induced membarne内に脂肪移植を行うことによっても脂肪生着率が上昇する可能性が十分にあると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Induced membraneの作成は可能だが、均一な厚さに作成することが難しい。そのため、切片を採取する場所によって染色のばらつきが大きく、PPAR-γの発現に差が認められる。コントロールとの比較が難しく、プロトコールの作成に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
形態評価のためのプロトコールを作成する。Indeuced membraneの厚さのむらを減らすために、ラットに埋入するポートの形も検討する。同時に、VEGF、PPAR-γなどのサイトカインの定量も進める。 さらに、ラットでinduced membran作成後、membrane内への脂肪移植を行い、脂肪生着率の解析を行う予定である。
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