本研究の最中にポリフェノールの一種であるレスベラトロールが、ケロイドに対しても線維化抑制効効果が示唆されたため、詳細に検討を行うことにした。つまり、ケロイドに対するレスベラトロールの線維化抑制効果、アポトーシス誘導能などについて検索を行うこととした。研究方法は、同意を得られたケロイド患者よりケロイドを採取し、explant法により線維芽細胞の培養を行った。ケロイドは、萎縮傾向をしめす中央部と拡大・浸潤傾向を示す辺縁部とに分けて採取し培養した。ケロイド由来線維芽細胞を、レスベラトロール添加培養液で培養を行い、以下の検討を行った。 RT-PCR法により、ケロイド由来線維芽細胞のtype I collagen、α-SMA、HSP47のmRNA発現を評価したところ、レスベラトロールは、ケロイド由来線維芽細胞のtype I collagen、α -SMA、HSP47のmRNA発現を、濃度依存性に抑制した。 ELISA法により、培養上清のTGF-β1量を評価したところ、レスベラトロールは、ケロイド由来線維芽細胞のTGF-β1産生を抑制した。
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