in vitroにおいて、緑膿菌に5-アミノレブリン酸(5-ALA)を投与し、高速液体クロマトグラフィーでポルフィリン類を計測したところ、プロトポルフィリン9(PpⅨ)の比率は約2%であったが、キレート剤であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を同時に添加したところ、PpⅨの比率は14%と約7倍に増加することがわかった。次に、菌量を100000CFU/mlに調整後に、5-ALA無添加群、5-ALA添加群、5-ALA+EDTA添加群に分け、添加後に波長410 nmの発光ダイオード(LED)を照射出力50 J/cm2で照射し、24時間培養後の菌量を計測したところ、5-ALA+EDTA添加群では有意に菌の増殖を抑制することが出来た。電子顕微鏡で菌体を確認したところ、細胞壁の破壊像が認められた。次に波長を緑色(517 nm)、赤色(642 nm)、白色に替え、同様に50 J/cm2で照射したところ、いずれも菌の増殖を抑制することは出来なかった。以上、in vitroでは、緑膿菌に5-ALAとEDTAを添加し、波長410 nmの青色LEDを照射することにより、菌の増殖を抑制することが認められた。次にin vivoにおいて、マウスの背部に緑膿菌感染皮膚潰瘍を作成し、5-ALAおよびEDTAを腹腔内投与後に、創部に青色LEDを照射し、創傷治癒が促進するか確認を行ったが、創傷治癒の促進は認めなかった。
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