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2013 年度 実施状況報告書

遊離筋肉移植における神経二重支配のメカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25861702
研究種目

若手研究(B)

研究機関杏林大学

研究代表者

清家 志円  杏林大学, 医学部, 助教 (20644933)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード顔面神経麻痺 / 神経再生 / 神経二重支配
研究概要

本研究では、支配神経の近位側断端と遠位側断端の両者をそれぞれ運動神経と縫合することで果たしてより強い筋収縮を得ることができるかどうか、神経二重支配モデル(ラット)を作成し検証し、さらにメカニズムについては不明な部分が多いこの神経二重支配という現象に関して、移植筋体の組織学的解析や逆行性および順行性トレーサ法による神経回路の解析を行い、メカニズムの解明に向けて基礎的知見を得る。
実験モデルの確立を目的として、ラット広背筋に遠位の神経、血管茎をつけた状態で、広背筋を分割採取する手術操作方法の最適化を行った。十分に高い生着率を得るためには、広背筋固有の栄養動静脈である胸背動静脈ではなく、鎖骨下動静脈まで血管茎を剥離した状態で、遊離筋肉移植を行うのがよいことが明らかとなった。また、移植床の血管としては片側の頸動脈を採用して試行を繰り返したが、神経再支配の評価に十分と考えられる数か月間の動物の生存を得るには、動脈は端側吻合を行うほうがよいことがわかった。
また、実験モデルの確立と並行して、本実験において評価系となる神経トレーサー試薬の検討を行い、逆行性神経トレーサーとして、フルオロゴールドを用いる方針となった。また、ラットの筋組織学的評価方法として、筋線維種に沿った染め分け方法の最適化および神経筋接合部の染色を目的とした、シルバーアセチルコリン染色方法の最適化を行い、それぞれ、定量的評価に十分対応できる精度まで検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

動物実験モデルを最適化し、定量的な検討を進めるために、実験動物の外科的な作成を進めたが、当初移植床血管として片側の頸動脈を端々吻合で採用したため、評価を行う期間までの動物の生存を得ることができなかった。そのため、定量評価を含めた検討に予定よりも遅れをきたしている。

今後の研究の推進方策

端々吻合で行っていた動脈吻合を端側吻合で行うことによって、実験期間中の動物の十分な生存を得ることができることをすでに確認済みであるため、このモデルを用いて今後の研究を遂行することによって当初予定通りの進捗を得ることができるものと考えている。

次年度の研究費の使用計画

実験期間にわたって高い生存率を得ることのできる実験モデルを確立できなかったために、結果の検討に至った実験動物数が少ないことから、評価系で予定していた消耗品の購入に至っておらず、それゆえに次年度使用額が生じた。
本年度研究期間内に、動物実験モデルの最適化を進めることができたため、次年度にペースアップして、モデル動物を作成することによって、実験の遅れをとりもどす予定である。この際に、評価、検討を行うサンプル数が増えるため、予算は次年度に繰り越して使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Reinnervation of segmented latissimus dorsi muscle with the distal stump of the thoracodorsal nerve: A preliminary experimental study in rats.2013

    • 著者名/発表者名
      Kurita M, Yamazaki K, Eto H, Seike S, Takushima A, Harii K
    • 雑誌名

      Microsurgery

      巻: 33 ページ: 545-550

    • DOI

      10.1002/micr.22164.

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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