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2013 年度 実施状況報告書

表皮細胞の抗張力反応の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25861704
研究種目

若手研究(B)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

加藤 達也  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60641321)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード抗張力反応
研究概要

申請者の確立した新規マウス皮膚持続的張力負荷モデルを用いた研究を行った。このモデルは、マウス背部皮膚に過緊張縫縮創を作成し、このモデルにより作成された持続的張力負荷後の皮膚組織を採取し、免疫組織学的解析を行った。その結果、Keratin5陰性の終末分化に近い細胞にSMAの強い発現を見出していた。さらにマイクロスコープ型ロボスキンアナライザにて表皮構造の微細な変化(皺、肌理など)を観察したところ、ヒトの創部と同様にキメが失われているという事実を見出した。通常のマウス創部ではキメが失われることはなく、これは皮膚持続的張力が起因していることが示唆された。
今後、SMA以外の各種細胞骨格構成タンパクの発現を網羅的に評価する必要があると考える。具体的には持続的張力を加えたときの表皮細胞をフローサイトメトリーにより分離・回収し、マイクロアレイ解析により転写レベルにおける遺伝子発現を検討する。この際、申請者の研究グループの所有するKeratin5-Cre; floxed-CAT-EGFPダブルトランスジェニックマウスを用いて表皮細胞を回収する。またin vivoで得られた表現型が表皮細胞のcell autonomousな反応であるかどうか否かを確認すべく、in vitroにおいて培養表皮細胞シートの系をシリコン膜伸展培養装置(と組み合わせ、表皮細胞の張力負荷時の細胞の挙動を詳細に観察しているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに、過緊張縫縮創での発現タンパク、ならびにキメの評価が行えた。さらに次段階の研究準備として、Keratin5-Cre; floxed-CAT-EGFPダブルトランスジェニックマウスを用いた過緊張縫縮創の作成に取り組んでいる。

今後の研究の推進方策

マウス皮膚持続的張力負荷モデルにおける表皮細胞の網羅的遺伝子解析を行う。そこで見出された興味深い遺伝子につき、それら分子の特異的阻害剤やノックアウトマウスが存在するか否かを検索し、入手可能である場合、マウス皮膚持続的張力負荷モデルにおけるその機能を検討する。また、それらのfloxマウスが入手可能な場合、申請者の研究グループの所有する表皮細胞特異的CreマウスであるKeratin5-Creマウス、またはKeratin14-CreERT2マウスとの交配により表皮細胞特異的ノックアウトマウスを作成し、皮膚持続的張力負荷時の表皮における該当遺伝子の機能をより特異的に解析する。またこれまでに得られた結果を関連学会にて発表していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

消耗品である延長器を繰り返し使用することで、そのコスト削減を図ったために生じたものである。
次年度も延長器の支出は可及的に抑えるように遂行する予定である。しかしながら、次年度以降では、floxマウスを購入する見込みであり、これは従来マウスよりも高額となる。この購入に抑えた金額分を充てる予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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