軟骨膜を欠く移植軟骨の経時的変化を明らかにした.野生型とGFP蛍光ラットの2種類を用いて膜除去移植群と膜付着群の2つを作成し、組織解析を行った.膜除去群では、移植4週後に移植軟骨周囲に本来の軟骨膜に似た層構造の再生が確認された.8週後では、野生型由来GFP陰性移植軟骨の表層部分がRecipinentのGFPラット由来GFP陽性細胞の軟骨に置換された.一方、膜付着群ではGFP陽性細胞で置換されなかった.軟骨をその細胞の供給源である軟骨膜を除去した状態で移植しても、周囲の軟部組織より軟骨に分化可能な細胞が供給され、新たに軟骨細胞が形成され続けることでその形態を維持し続けていることが明らかとなった.
|