NETs(Neutrophil Extracellular Traps)とは、好中球からDNAを含む網目状構造物を放出する現象で、感染防御の役割を担っている。一方で、NETsの過剰発現は炎症を誘導し、組織損傷を引き起こす可能性も報告されている。ARDS(急性呼吸促迫症候群)において、NETsの過剰発現が肺組織損傷を誘導していると仮説をたて、検証した。 本研究において、すべてのARDS患者の喀痰中にNETsは発現しており、生存例においてはNETs発現とともに呼吸不全の目安となるP/F ratioが改善し、その後NETsは消褪した。一方、死亡例においてNETs発現が持続し全例呼吸不全で死亡した。
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