本研究の目的は集中治療患者に対する下肢への電気的筋肉刺激(EMS)が、代謝や耐糖能に与える影響について評価し、その有効性を検討することである。人工呼吸器管理下の重症患者を対象に、30分間のEMSによる下肢への筋肉刺激を施行し、その前後での代謝量を間接熱量計による測定にて評価した。また、施行前後での糖代謝関連ホルモンマーカーについても比較検討した。 EMS施行により、血圧や体温の変化はないものの、患者の消費カロリーは有意に上昇した。糖代謝関連のホルモンに変化はなかった。本研究により、重症患者の耐糖能異常に対する運動療法として、EMSが有効である可能性が示唆された。
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