近年,亜硝酸塩の心保護作用が注目されているが,敗血症病態における作用は不明である.本研究では盲腸結紮穿孔(CLP)によるラット重症敗血症モデルに対して亜硝酸塩を投与し,その心保護作用や安全性について検討した. 亜硝酸塩1mg/kg投与により,臓器レベルでは心収縮能を,細胞レベルでは心筋ミトコンドリア機能を,それぞれ有意に改善させることが明らかになった.また,in vivo血行動態,血中炎症性サイトカイン,心筋ニトロ化ストレスを悪化させず,生存率を改善させることを確認した. 本研究により,敗血症性心機能障害に対する亜硝酸塩の安全性および治療薬としての可能性が示された.
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