前年度に引き続き動物モデルによる検討を行った.LPS経気管投与モデルマウスにおいて肺胞バリアーの透過性亢進が抑制されることを前年度までに確認していたが,BALF中の肺胞上皮細胞傷害マーカーのReceptor for advanced grlycation endproducts(RAGE),BALF中及び肺組織における,好中球の指標であるミエロペルオキシダーゼ濃度,病理組織学的検討,さらにアポトーシスの指標であるカスパーゼ3/7活性について検討を行った. BALF中のRAGEについてはLPS投与によって増加したが,DMOGの前投与によって増加を抑制できた.以上から肺胞上皮細胞の傷害をDMOGが抑制していると考えられた. 一方で好中球の遊走についてはミエロペルオキシダーゼ濃度,病理組織学的検討共に,LPSで増加するもののDMOGによって抑制がされなかった.さらにLPS投与によるカスパーゼ3/7活性の増加についてもDMOGの投与では抑制されなかった.
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