高齢者の敗血症は重症化しやすくその予後は極めて不良である。申請者は高齢者敗血症では亜急性期の免疫抑制状態が死亡要因となっていることを報告し、免疫賦活効果のある薬剤が治療薬の有力な候補となると考えている。申請者はCD8+Tやナチュラルキラー細胞(NK細胞)の成長因子であるインターロイキン-15(IL-15)がマウス敗血症モデルの生命予後を改善し、高齢者由来T細胞を活性化することを発見した。これらの研究成果をもとに本研究では1)IL-15による老化T細胞の活性化のメカニズムを解析し、2)そのシグナル伝達系に関与する新たな治療標的分子を探索することで、今後先進国で爆発的に増加する高齢者敗血症の新規治療薬の開発を目指す。
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