予後不良の高齢者敗血症の病態として、T細胞の疲弊が近年注目されている。CD8+Tやナチュラルキラー細胞の成長因子であるインターロイキン-15(IL-15は高齢マウス敗血症モデルの生命予後を改善し、高齢者由来T細胞を活性化し、加齢により低下していたインターフェロンγの産生能を改善した。またIL-15は、高齢マウス敗血症モデル由来CD8+T細胞において、suppressor of cytokine signaling 1(SOCS1)の発現量を減少させた。T細胞の分化・成熟に重要な役割を果たすSOCS1の発現制御が新たな高齢者敗血症の治療ターゲットとなる可能性が示唆された。
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