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2013 年度 実施状況報告書

Thymosin beta 4遺伝子導入による歯原性上皮細胞の作製

研究課題

研究課題/領域番号 25861747
研究種目

若手研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

藤原 弘明  九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50634200)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード歯の再生
研究概要

Thymosin beta 4, X-linked(TMSB4X)過剰発現細胞を石灰化誘導培地含有コラーゲンゲルに混和し、ヌードマウスの背部皮下に移植したところ、マイクロCT撮影にて石灰化物様硬組織の陰影を認めた。また、移植した細胞はFISHにてHaCaT由来であると確認も行った。移植後3週、6週でTMSB4X過剰発現細胞を移植群ではalizarin red Sおよびvon Kossa陽性の石灰化物が確認された。対照群とする親株やempty vectorを導入した細胞株では、石灰化物形成は観察されなかった。この石灰化物領域や周囲の細胞においては、amelogenin、ameloblastin、enamelinといったエナメル基質蛋白の発現を免疫組織化学染色にて認めた。さらに、それら因子とRUNX2との二重陽性所見も得られた。in vitro実験においても3週間石灰化培養したTMSB4X過剰発現細胞ではin vivoと同様の結果が得られた。この石灰化物をEnergy Dispersive X-ray spectroscopyを用いた元素解析を行ったところ、リンとカルシウムのピークが高く、Ca/Pもヒドロキシアパタイトのそれに近い値が得られた。対照群とする親株やempty vectorを導入した細胞株では、観察されなかった。以上の結果からこの石灰化物はエナメル基質に関連した石灰化物と示唆された。
TMSB4X過剰発現細胞株にsiRNA法によるTMSB4X発現阻害を行いながら石灰化誘導培養の結果、石灰化物の生成は減少した。この結果から、TMSB4Xが石灰化に重要な働きを示していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申告時の計画に沿って計画が進み、本研究で得られた結果を一部含めた形で論文発表ができたので、達成度は概ね順調であると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後の予定は、まずマイクロアレイ解析より得られた遺伝子データと過去に我々が報告した歯胚の発生・発育に関連した因子との関連性について検討する。そして、網羅的解析により得られた因子の特徴によるTMSB4Xにより発現が制御されるシグナル伝達機構を解明する。 その手法の1つで、siRNAを用いたTMSB4X阻害実験を行う予定であったが、レスキュー実験を兼ねた実験も必要と考え、Tet-Oneシステムを利用したTMSB4X調節発現系を用いた実験に一部変更した。現在この調節発現系の細胞樹立を行っている最中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Induction of dental epithelial cell differentiation marker gene expression in non-odontogenic human keratinocytes by transfection with thymosin beta 4.2013

    • 著者名/発表者名
      Kiyoshima T, Fujiwara H, Nagata K, Wada H, Ookuma YF, Shiotsuka M, Kihara M, Hasegawa K, Someya H, Sakai H
    • 雑誌名

      Stem Cell Res

      巻: 12 ページ: 309-322

    • DOI

      10.1016

    • 査読あり
  • [学会発表] Thymosin beta 4遺伝子導入による歯原性上皮細胞の作製

    • 著者名/発表者名
      藤原弘明、清島保、永田健吾、和田裕子、木原槇子、長谷川佳那、染矢祐孝、坂井英隆
    • 学会等名
      第55回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(岡山)
  • [学会発表] マウス歯肉上皮由来角化細胞へのThymosin beta 4遺伝子導入による歯原性上皮細胞誘導

    • 著者名/発表者名
      染矢祐孝、清島保、永田健吾、和田裕子、藤原弘明、木原槇子、長谷川佳那、古谷野潔、坂井英隆
    • 学会等名
      第55回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(岡山)
  • [備考] Thymosin beta 4 遺伝子導入による歯原性上皮細胞作成の 可能性

    • URL

      http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2013/2013_12_03.pdf

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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