研究概要 |
ブタ下顎骨から採取したプレートに一定の深さに溝を形成した。そこに、形成面と反対方向からSS-OCT(波長走査型光干渉断層装置)を用いて、形成した溝を測定した。同一の試料を、マイクロフォーカスX線CT(精密型X線干渉断層装置)を用いて正確な深さを測定し、SS-OCTによる深さの計測の正確性を調べた。その結果、厚さ0.78~1.19mmの範囲であれば、SS-OCTによる深さの測定は可能であった。(J. Ding, S. Watanabe, T. Anjo, Y. Iino, C. Kokuzawa, A. Ebihara, H. Suda: The ability of optical coherence tomography to image bone lesion: comparison between porcine Maxilla and Mandible, P115, 第138回日本歯科保存学会でポスター発表) この実験の目的は、保存修復処置における歯の窩洞形成・う蝕除去の際に、実際臨床応用可能な、SS-OCTによる測定で、形成した窩洞と歯髄腔の距離を測定することである。SS-OCTで測定することにより、過度な形成による露髄という偶発事故を防ぐことができる。この試作型SS-OCTは、専用のホルダーを用いることで実際に臨床応用して、チェアサイドでリアルタイムにモニターで確認することが可能であるので、本実験の基礎的データは、非常に有用であるといえる。 また、現在Er:YAGレーザーを用いた根管洗浄(laser-activated irrigation)についても研究を進めており、これについても基礎的研究を積み重ねている段階である。
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