歯根に生じる破折は歯科臨床において確定できる診断方法がなく、重要な課題である。本研究では、工業界の非破壊検査の一つで赤外線サーモグラフィを用いて亀裂の検出条件を検討し、ヒト抜去歯を用いた歯根亀裂モデルを作成し、試料の亀裂幅と深さについて検討を行った。そして、根管内各所に存在し、直視が困難である部位にも応用するため、鏡面反射ミラーも併用し、亀裂の検出が可能であるかを検討した。 赤外線サーモグラフィを用いた法において、視診やX線写真では検出困難な幅4.1~50μmの亀裂が検出可能であった。鏡面反射ミラーを使用した実験においては鏡面像にても歯根亀裂の検出が可能であることが確認された。
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