研究課題/領域番号 |
25861798
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山口 幹代 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (30523089)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バイオフィルム / ポリフィロモナス ジンジバリス / 薬剤排出ポンプ |
研究概要 |
バイオフィルム形成および抗菌薬感受性に関与する薬剤排出ポンプを阻害することが種々の細菌で報告されているphenyl-arginine-β-naphthylamide (PAΒN) およびcarbonyl cyanide m-chlorophenyhydrazone (CCCP) がPorphyromonas gingivalis ATCC33277株のバイオフィルム形成および抗菌薬感受性に与える影響について検索した。PAβNおよびCCCPのP. gingivalis の増殖に与える影響を検索した結果、PAβNは32 μg/ml以上の濃度で、CCCPは0.001953 μg/ml以上の濃度でP. gingivalis の増殖を抑制することが明らかになった。そこで、両薬剤のP. gingivalis のバイオフィルム形成に対する影響を検索するため、P. gingivalis を32 μg/ml未満の濃度で段階希釈したPAΒNあるいは0.001953 μg/ml 未満の濃度で段階希釈したCCCPを添加した96穴プレートで培養したところ、バイオフィルム形成の抑制は認められなかった。さらに、P. gingivalisの増殖を抑制しない濃度のPAΒN (4 μg/ml)およびCCCP (CCCP 0.000976563 μg/ml)を用いて、P. gingivalis のエリスロマイシンに対する感受性を検索したところ、影響を及ぼさなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Porphyromonas gingivalisのバイオフィルム形成および抗菌薬感受性に対する薬剤排出ポンプの及ぼす影響を検索するため、実験の順番を変更し、平成26年に検索予定であった薬剤排出ポンプ阻害剤の影響を先に検索した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、phenyl-arginine-β-naphthylamide (PAΒN) およびcarbonyl cyanide m-chlorophenyhydrazone (CCCP) が、Porphyromonas gingivalisのバイオフィルムにおいて抵抗性を示すことが報告されているミノサイクリン(テトラサイクリン系)、アンピシリン(ペニシリン系)、オフロキサシン(ニューキノロン系)ならびにゲンタマイシン(アミドグリコシド系)の感受性に与える影響を検索するとともに、バイオフィルム形成時に発現が有為に上昇している薬剤排出ポンプをコードしている遺伝子の欠失株および相補株を作製し、バイオフィルム形成および抗菌薬感受性における役割を明らかにしていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年に行う予定であった欠失株および相補株の作製が途中の段階であり、また、予定していた成果発表を平成26年度に変更したため。 作製途中の段階である、欠失株・相補株の作製および成果発表に残額を使用する予定である。
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