研究概要 |
1.接着材へのハイドロキシアパタイトを配合することによる機械的性質への影響 セルフエッチングシステムのボンディングレジンにフィラーの代わりにナノサイズのハイドロキシアパタイトを配合することによるボンディング材の機械的性質への影響について検討を行った。ハイドロキシアパタイトの配合量と吸水性の関連について:セルフエッチングボンディングシステムのボンディング材にフィラーを含まないものを試作し、そこにハイドロキシアパタイトを配合したものを試作ボンディング材として用いた。ハイドロキシアパタイトの配合量を0%,5%10%と変え、それぞれのボンディング材をディスク状に硬化させ、水中浸漬およびその後の乾燥による重量変化を分析天秤を用いて継時的に測定した。その結果、配合量を増加させることで吸水および溶出量が抑制される傾向が見られた。 2.試作接着システムの象牙質接着における影響 接着に用いる象牙質は、健全象牙質と、人工脱灰象牙質(う蝕象牙質モデル)の2種類を用いて研究を行った。①ハイドロキシアパタイトの配合量と初期接着性の関連について:#600耐水研磨紙で研磨したヒト大臼歯歯冠部露出象牙質に対して、従来製品および、試作ボンディング材を適用し、コンポジットレジンの築盛を行った。その接着試料を24時間37℃で水中保管した後、精密低速切断機を用いて棒状に切断し、微小引張接着試験を行い、比較した。24時間後の微小引張試験強さでは0%,5%,10%,コントロールでは明らかな差は認めなかった。②作成した試料のうち試験に用いなかったものを長期保管試料とした
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