研究課題
セルフエッチングシステムのボンディングレジンにナノサイズのHApを配合した試作ボンディング材の機械的性質および生体への影響について検討を行った。1.試作接着システムの象牙質接着における影響接着に用いる象牙質は、健全象牙質と、人工脱灰象牙質(う蝕象牙質モデル)の2種類を用いてHApの配合量と初期および長期接着性の関連について実験を行った。それぞれのヒト大臼歯歯冠部露出象牙質に対して、従来製品および、試作ボンディング材を適用して、コンポジットレジンの築盛を行った。その接着試料を24時間37℃で水中保管した後、棒状に切断して微小引張接着試験を行い、比較した。また、棒状に切りだした試料を1年間保管し同様に比較した。24時間後、1年後の微小引張試験強さはともに0%,5%,10%,コントロールでは明らかな差は認めなかった。また、HAp配合ボンディング材では破断面に石灰化物用の構造物が観察されたものも認めた。このことから、接着界面の劣化によって生じる微小空隙への石灰化物形成による封鎖の可能性が示唆された。2.試作接着システムの歯髄組織への影響試作接着材を覆髄材として用いて、ラット大臼歯に点状に露髄させた窩洞を作成後、同部位に試作ボンディング材を用いて充填を行い、直接覆髄モデルとして、歯髄組織の反応を顕微鏡下での観察を行った。HAp配合接着システム群では充填物直下に象牙質用の硬組織の形成を認めた。しかしながら、サンプル数が少なく、また充填後の実験期間の検討のため、追加の実験が必要である。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
Dental Materials
巻: 30 (11) ページ: 1212-1223
10.1016/j.dental.2014.08.365.