研究実績の概要 |
〈KN-3細胞におけるalarminレセプターの発現ならびに機能解析〉 昨年度までに、ラット歯髄象牙芽細胞であるKN-3細胞において細菌関連因子 (Pathogen-Associated Molecular Patterns; PAMPs)の一種であり、NOD1によって認識されるiE-DAP刺激にてalarminレセプターであるMINCLEのmRNA発現が増強することを明らかにした。一方、NOD2リガンドであるMDPや、TLR2リガンドであるPam3CSK4、TLR4リガンドであるLPSでKN3細胞を刺激したところ、MINCLEのmRNAレベルに変化は認めなかった。 さらに、KN-3細胞でのMINCLEの機能を確認するため、KN-3細胞をMINCLEの特異的リガンドであるTrehalose-6,6-dibehenate (TDB)にて刺激を行い、total RNAを回収しmRNAを精製後、PCR arrayを行ったところ、CCL4 mRNAの発現増強が認められた。そこで、iE-DAP刺激にて発現が増強されたMINCLE蛋白の機能を確認するため、KN-3細胞をiE-DAPにて24時間刺激した後、PBSにて洗浄し、ついでTDBにて刺激を行い、total RNAを回収した。回収したtotal RNAを精製後real-time PCRを行ったところ、iE-DAPにて前処理を行った群において、CCL4 mRNAの増強が有意に認められた。 現在、iE-DAP刺激によりKN-3細胞が産生するCCL4の定量を試みており、今後、歯髄炎の進行にalarminレセプターであるMINCLEがどのように関与するのか研究を進める予定である。
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