本研究では、歯科材料に対するNアセチルシステイン(NAC)の影響を調べた。歯科材料によるマウス骨芽細胞に対する影響を抗酸化アミノ酸であるNACが改善することができるか検討した。NACの応用は、骨芽細胞の細胞内グルタチオンを増強しその細胞活性を改善した。また、ラット露髄モデルを作成し、NACの直接覆髄剤としての可能性を検索した。ラット上顎第一臼歯に形成した窩洞内にNAC含有コラーゲンスポンジで直接覆髄を行った。4週間後に屠殺し、H-E染色を行い光学顕微鏡下で観察した。NAC添加群では露髄面に修復象牙質誘導が認められた。NACを応用することで新しい機能を持った歯科材料の開発の可能性が示唆された。
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