研究課題/領域番号 |
25861824
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸森 亮太朗 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (80534065)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | チタニア / 光触媒 / プラズマCVD法 |
研究概要 |
本研究の目的は,最先端成膜プロセス技術の一つである,マイクロ波プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)成膜技術の応用により,インレーやクラウンのマージン部にチタニア層を成膜することで,修復物自体に金属と歯質のインターフェイスに形成されたプラークを分解し,二次カリエスや歯周疾患の発症・増悪を防止する機能を持たせることである. 平成24年度までに行ったプラズマCVDコーティングの結果から,基板に含まれているAgが膜の生成を阻害している原因であることが解明された.そのことから,平成25年度は歯科鋳造用金合金(PGA-3 石福金属興業株式会社)の成分からAgを除外した合金基板を作製し,チタニア膜の生成を行った. 成膜条件は平成23年度に行ったチタンへのチタニア膜生成および,24年度に行った白金加金へのチタニア膜生成を試みた成膜条件を基に,マイクロ波出力(PM)および成膜圧力(Ptot)を変化させ,プラズマCVDコーティングを行った.コーティング後の試料について,(1)高速分光光度計による測色(2)デジタルロックウェル硬度計による付着強度の評価を行った.(1)基板に生成されたチタニア膜は,灰白色~黒色に近いものであった.成膜する際のArキャリアガス,および酸素量の再調整が必要と思われる.(2)接着強度は低く,ロックウェル試験による付着強度評価において評価分類class3であった.口腔内での応用を検討するにはclass0~1程度は必要であると思われるため,接着強度に関しても再度検討が必要である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は,チタニア光触媒を応用したインレーやクラウンが,自らの作用で二次カリエスや歯周疾患を予防する,いわゆる「機能性修復物」の開発である.平成25年度に行った,PGA-3へのプラズマCVDコーティングの実験結果からは,灰白色~黒色を呈しており,また接着強度も不十分であった.今後は成膜する際のArキャリアガス,および酸素量の再調整が必要と考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は前年度の研究結果を基に,基板条件,成膜条件を検討し,臨床応用への必須条件である接着強度の向上を目指していく. また,より銀を含まない純白金についても研究を進める予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
実験で使用する金属は時価であるため金額が予想できないことから十分な予算をとっていたため. 本年も引き続きチタニア膜を成膜する金属に充当する.
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