平成26年度においては,25年度に確定した研究計画および方法について,実施大学の倫理審査委員会の承認を得た.以下に研究の概要を示す. ・テーマ1:義歯床下粘膜の痛みのリスクファクター.結果因子:義歯床下粘膜の痛みの強さおよび経験頻度.予測因子:患者のdemographic information,状態不安・特性不安,義歯床下の支持組織に関する因子,義歯床下粘膜への加圧に関する因子,義歯に関する因子. ・テーマ2:義歯床下粘膜の痛みと患者立脚型アウトカムの関連.結果因子:摂取可能食品(食品摂取アンケート),義歯満足度,口腔関連QoL.予測因子:義歯床下粘膜の痛みの強さおよび経験頻度. また,義歯床下の支持組織に関する変数の1つである粘膜圧痛閾値の術者内信頼性を確認する予備実験を経て,本実験を開始した.被験者サンプリングを行い,研究参加への同意が得られた260名に対してデータ採得を行った. データ解析の結果,義歯床下粘膜の痛みに統計的に有意に関連する因子が検出され,これらは痛みのリスクファクターになり得ることが示唆された.補綴臨床的に有意義であると考えられる結果が得られたため,平成27年5月に開催される専門学会にて発表予定である.また,引き続きデータ採得を行って(目標サンプルサイズ:500名)データ解析をし,義歯床下粘膜の痛みのリスクファクター,および患者立脚型アウトカムとの関連について,発表(専門学会・学術論文)を行う予定である.
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