研究課題/領域番号 |
25861836
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
星合 泰治 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (60611928)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 顎顔面補綴学 / 上顎顎義歯 / モード解析 / 金属床義歯 / 上顎欠損 / チタン合金 |
研究実績の概要 |
上顎腫瘍に対する外科的切除を行った患者に適用される上顎顎義歯は、各種の口腔機能ならびに審美性の回復を助け、患者のQOL向上に大きく貢献している。しかし、上顎顎義歯はそれ自体の形状や重量から、支台歯に対して過大な離脱力や回転力を常時惹起し、また機能時においては片持ち梁状の負担を与えてしまう。そのため、上顎顎義歯の設計においては支台歯を含めた残存組織に与える有害な影響を可及的に少なくする考慮がなされなければならない。上顎顎義歯の設計においては、臨床上、リジットサポートの観点から金属床を適用することが有効であると考えられている。現在、金属床上顎顎義歯メタルフレームには主として金合金、コバルトクロム合金およびチタン合金が使用されている。そのなかで残存歯列の保護のためには、モード解析の適用によりチタン合金の使用が金属床上顎顎義歯にとって最適であることまでは明らかになっている。しかしながら臨床上、まだ詳細な顎義歯の設計、即ち異なる維持装置が設定された金属床上顎顎義歯を装着した上顎欠損患者に対する上顎歯列の振動特性の比較検討は十分なされていない。 本研究では、上顎顎義歯を装着した上顎欠損患者の上顎歯列に対してモード解析を適用する。その際、装着する金属床上顎顎義歯には臨床に則した様々な維持装置を設定する。それより得られた上顎歯列の振動特性を比較検討し、最適な上顎顎義歯の維持装置の形態を明らかにすることが目的である。 本年度は、前年度に発生した実験解析を行う上で絶対的に必要となるレーザ装置の異常が解消されたので、実験測定の実施と得られたデータの解析が完了した。 次年度は、得られた結果をまとめて学会発表や論文作成を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画は順調に進展していたが、実験解析をする上で絶対的に必要となるレーザ装置の異常が発生した。 同装置の修理や校正を製造業者に依頼し、研究計画を円滑に進めることができるように試みたが、異常部位の修復は不可能であることが判明し、研究を再開するうえでの機器の整備のために長期間の研究計画の中断を余儀なくされた。 そのため、当初予定されていた研究計画よりもやや遅れている状態となっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に発生したレーザ装置の問題は解消されたので、平成26年度の計画は当初計画から遅れているもののデータ収集と解析を予定通り行うことができた。 平成27年度は、結果のまとめと成果発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成25年度では、実験解析をする上で絶対的に必要となるレーザ装置の異常の改善のため、多額の交付金を使用することとなった。 そのゆえ本年度は、残りの金額を平成27年度の研究成果や論文作成のために使用する必要があるため、残金と予定使用額を考慮しつつ次年度使用額を発生させることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
国内での研究成果発表や論文作成のために、消耗品、旅費、学会参加費、論文投稿費および参考論文閲覧費などのために使用する計画である。
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