顎関節症の筋筋膜痛を発症している咀嚼筋は,臨床的に硬くこわばった感触であることが知られているが,咀嚼筋痛患者の咀嚼筋の硬さは客観的には未だに明らかになっていない.咀嚼筋痛患者において咀嚼筋の硬さを客観的に評価する方法を確立することで,咀嚼筋痛患者の診断や治療効果の定量的な解析が可能となる.そこで本研究の目的は、組織の硬さを定量化できるせん断弾性波エラストグラフィを用いて咀嚼筋痛患者の咀嚼筋の硬さを定量評価することである.せん断弾性波エラストグラフィを用いて咬筋の硬さ測定したところ,RDC/TMD Group I患者群(咀嚼筋痛障害)はおよそ4 kPaであり,健常者群の約2倍固かった.
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