研究課題/領域番号 |
25861839
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
富田 章子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10585342)
|
研究期間 (年度) |
2014-02-01 – 2018-03-31
|
キーワード | インプラント支持 / 遊離端義歯 |
研究実績の概要 |
歯を喪失し欠損が生じた場合、補綴学的にはブリッジ、従来型義歯、あるいはインプラント等を用いて欠損部の修復を行っている。歯の欠損形態のうち遊離端欠損の治療法としては、上記に加えて後方大臼歯のみの欠損では補綴しない短縮歯列(SDA)も提唱されている。しかしSDAに対する評価はほかの治療法と比較した際に最も低いという報告がある。ブリッジ(延長ブリッジ)では支台歯の歯根破折などの危険性が高まるとされている。また、従来型遊離端義歯に関しては、装着されたもののうち30%が使用されていないという報告があり、また、支台歯の喪失を引き起こすこともわかっている。インプラント固定性補綴は骨量の問題や経済性制約により行えない場合も多い。そこで、今回、インプラント支持遊離端義歯の臨床的な有用性を明らかにすることを目的とし研究を行った。 4施設でのインプラント支持遊離端義歯(IRDP)による補綴治療を受けた患者15名のインプラント、支台歯、補綴装置について診療記録上で調査を行い検討した。 対象となったIRDPは17床(上顎5床, 下顎12床),支台となるインプラントは34本(上顎12本, 下顎22本),最遠心支台歯は22本であった.その結果 IRDPを使用して問題のなかった埋入インプラントは79% ,装着義歯は70%であった.また,最遠心支台歯については歯周ポケット,BOP ,動揺度ともに変化なし,または改善傾向が81%であった. これにより,IRDPを使用することにより支台歯が保護される可能性が,また,支台となるインプラントや装着した義歯も保護される可能性が示唆された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インプラント支持遊離端義歯を使用することにより,支台歯が保護される可能性が,また,支台となるインプラントや装着した義歯も保護される可能性が示唆された.このことにより、インプラント支持遊離端義歯の客観的評価を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
インプラント支持遊離端義歯の主観的評価をOHIPやVASなどで行い、総合的に検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
育児のため、当初予定していた学会参加が少なくなってしまったため
|
次年度使用額の使用計画 |
学会参加し、インプラント支持遊離端義歯の臨床や研究についての情報を収集する
|