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2013 年度 実施状況報告書

骨質イノベーションを達成するポリリン酸のバイオアクティブ効果

研究課題

研究課題/領域番号 25861845
研究種目

若手研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

森田 晃司  広島大学, 大学病院, 助教 (30555149)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードポリリン酸 / 骨再生 / アパタイト
研究概要

平成25年度ではポリリン酸(鎖長65)の骨質改善効果の解明をin vitroで行った。細胞はマウス頭蓋骨由来骨芽細胞(MC3T3-E1)、メディウムはFBSおよびペニシリンを含有したα-MEMあるいはFBS、ペニシリン、アスコルビン酸およびβ-glycerophophateを含有したα-MEMを使用した。また、ポリリン酸は100mM、10mM、1mM、0.1mM、0.01mM、0.001mM、0.0001mMおよび0mM(コントロール)の計8群とした。最初にポリリン酸の骨芽細胞増殖能およ分化能に対する効果を調査した。細胞増殖能に関してはどの群において有意差はなかったが、骨分化能に関しては高濃度のポリリン酸は有意に骨分化を阻害した結果となった。現在でもポリリン酸が骨阻害する結果と骨促進する結果と意見が分かれており、ポリリン酸の骨増殖能と分化能の詳細なメカニズムを解明する上で再実験が必要であると考える。次にポリリン酸8群それぞれをアパタイトプレートに吸着させ、骨芽細胞増殖能および分化能に対する効果を調査した。ポリリン酸の吸着状態は、SEM像、トルイジンブルー染色を用いて確認を行い、その結果ポリリン酸が濃度依存的にアパタイトプレート上に吸着されることを確認した。また、アパタイトの表面粗さと濡れ度の測定も行い、ポリリン酸を吸着させると濃度依存的に表面粗さは荒く、濡れ度は低下する結果を得た。骨芽細胞増殖能ではどの群においても有意差が認められなかったのに対して分化能の指標の一つであるALP活性では経時的にALP活性のピークが高濃度から低濃度に移行していくこと、また骨分化誘導を行って12日後の石灰化の結果では、高濃度ポリリン酸を吸着させたアパタイトプレートが濃染された。
これらの結果から、ポリリン酸を吸着させたアパタイトプレートでは高濃度であるほど早期に石灰化を誘導する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度では濃度別に8群に分けたポリリン酸(鎖長65)をアパタイトプレートに吸着させ骨質改善効果をin vitroで調査した。現在、骨芽細胞の増殖能、分化能および石灰能を調査し今までにまだ解明されていないポリリン酸の効果を解明した。しかしながら、骨質に関連した物質を用いた実験は現在行っている最中であり、研究の達成度をおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

平成26年度では現在進行させている骨質に関連した実験を継続して行うと同時にポリリン酸がアパタイトプレートに吸着すると骨分化能および石灰能を促進するメカニズムを解明する。具体的にはポリリン酸がアパタイトプレートの表面を改質したことにより骨石灰化を早期に促進させるのか、あるいはポリリン酸自体にカルシウムあるいはタンパク質を吸着させることにより骨石灰化を早期に促進させるのかを調査し、さらなるメカニズムの解明を行う。また、卵巣摘出を行い骨質を低下させたモデルラットを用いてin vivoでのポリリン酸の骨質低下状態における詳細な実験を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

当該助成金所要額のうち、33,972円未使用となった。研究の方向性が当初の研究計画と若干異なることとなり、使用した金額もそれに伴い変更することとなったため。
上記未使用額については次年度に繰り越しをさせていただき、実験計画に多少の変更はあるもののポリリン酸の骨芽細胞に対する詳細な未解明なメカニズム解明のために使用したい。

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公開日: 2015-05-28  

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