研究課題/領域番号 |
25861853
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高橋 良 九州大学, 大学病院, その他 (60637924)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 膜ナノチューブ / 破骨細胞 |
研究概要 |
骨を構成する細胞の90%を占める骨細胞は、骨に埋め込まれた状態で存在する細胞で、神経細胞様の突起により編目状のネットワークを形成することで、骨内の骨細胞同士だけでなく、骨表面にいる破骨細胞や骨芽細胞とも密接に連結している。今回免疫系の細胞で報告されている細胞間情報伝達機構である「膜ナノチューブ」が破骨細胞融合に関与するばかりでなく、骨芽細胞による破骨細胞分化制御にナノチューブが関与していることを立証するために研究を行ってきた。 本研究の研究成果は第55回歯科基礎医学会学術大会で報告した。また先に報告した論文「Tunneling Nanotube Formation is Essetial for the Regulation of Osteoclastogenesis」が第123回日本補綴歯科学会奨励論文賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、破骨細胞と骨芽細胞の共培養にて細胞間に膜ナノチューブ状の構造物が形成されることを確認している。さらに骨芽細胞の細胞膜表面に存在する膜リン脂質が細胞間の細胞間橋上に確認され、骨芽細胞の膜表面に存在した膜リン脂質が破骨細胞の膜表面に発現していることを確認した。これらのことから骨芽細胞と破骨細胞はナノチューブにより細胞膜表面の分子を移動させ情報交換をおこなっている可能性が示された。これをもとに現在骨芽細胞におけるナノチューブ形成因子の発現を確認し、分子移動についてタイムラプスで観察を進めているところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は破骨細胞ー骨芽細胞間でどのような分子が交換され破骨細胞の分化にどのように影響しているか解析を行う予定としている。さらにタイムラプスにより、実際の分子移動について経時的な観察を行う予定としている。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初、遺伝子導入装置を購入予定であったが他部局の遺伝子導入装置を共同器機として使用できることなり、装置の購入分の経費が浮いたため次年度使用額が生じた。 次年度への繰り越し金は動物や試薬などの物品購入費にあてる予定である。
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