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2014 年度 実施状況報告書

高い耐久性を有する硬質リライン材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25861856
研究機関長崎大学

研究代表者

吉田 和弘  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (70530418)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードフッ素系モノマー
研究実績の概要

高い耐久性を有する硬質リライン材開発のため、粉液比および架橋剤の添加がリライン材の硬化挙動および機械的性質に及ぼす影響について詳細に検討した。本材は主にチェアサイドにて使用するため、硬化挙動より算出される硬化時間の把握は重要である。
硬質リライン材の粉液比が増加し、架橋剤の割合が減少すると硬化時間は短くなり、また粉液比が増加すると曲げ強さおよび曲げ弾性率が増加することがわかった。粉末と液を混和する際に粉液比が増すとよりポリマー間のからみ合いが多くなるため硬化時間が短くなったものと推測される。本材の重合はポリマーにモノマーが浸透、拡散したのちに化学反応が生じることにより完了する。架橋剤の分子量は硬質リライン材に使用されるモノマーよりも高いため、浸透、拡散に時間を要する。そのため架橋剤の含有量が増加するほど硬化時間が長くなったものと推測される。機械的性質においては、粉液比が大きくなるほど最大曲げ強さや曲げ弾性率が高い値を示した。これは粉液比が増加したことにより残留モノマーが減少し、さらに強固な3次元構造が構築されたためと考えられる。
以上より、硬質リライン材の硬化挙動および機械的性質は粉液比と架橋剤の添加によって影響されることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画で予定していたC.albicansの付着試験を次年度へと変更し、代わりに粉液比および架橋剤の添加がリライン材の物性に及ぼす影響についてより詳細に検討を行うこととした。計画の変更はあったが、全体としておおむね予定通り進行している。

今後の研究の推進方策

硬質リライン材の耐汚染性の評価を行うため、C.albicansの付着試験を行う。C.albicansは誤嚥性肺炎の原因とされており、その評価は重要と考えられる。フッ素系モノマーを添加することにより、硬質リライン材の表面エネルギーが低下することから、真菌の付着は抑制されると予想される。
最終年度となるため、研究の総括を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額はわずかであり、おおむね計画通り使用できている。

次年度使用額の使用計画

真菌付着実験のための消耗品の購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Influence of composition and powder/liquid ratio on setting characteristics and mechanical2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshikazu OKUYAMA, Takanobu SHIRAISHI, Kazuhiro YOSHIDA, Tadafumi KUROGI, Ikuya WATANABE
    • 雑誌名

      Dental Materials Journal

      巻: 33 ページ: 522-529

    • DOI

      10.4012/dmj.2014-077

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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